ツールド熊野UCI・参戦記

ツールド熊野UCI・参戦記

AACA選抜チームがUCI国際レース、2017ツールド熊野UCIに挑む。

6月1日から4日間に渡るUCI国際ステージレース、ツールド熊野にKINAN AACAカップで日頃から頑張っている学生たちが、選抜チームとしてハイレベルなプロのレースを走る。


若い選手たちに経験をさせてあげたいという、オーガナイザーであるスポーツプロデュース熊野のスタッフやKINAN Cycling TeamのゼネラルマネジャーでありKINAN AACAカップの主催者である加藤氏の思いは19回目を迎えたツールド熊野でも、去年に引き続き出場を叶えた。

選抜されたメンバーは、立命館大学から吉岡優斗、佐藤大紀と川嶋祐輔は中京大学からの選出。そして、KINAN Cycling Teamの下部組織KINAN AACAから高山恭彰と榊原啓介の二人。KINAN AACAからの選出は大きな意味を持っていると思う。クラブチームからプロチームへステップアップ。そんな組織づくりを考えている加藤GMの思いが、少しづつ形になっているのではないだろうか。
選抜選手たちが開会式会場である、キナン研修センターへ集まってくる。
ライセンスコントロールも始まり、大会のムードは盛り上がる。選手たちも少し緊張した面持ちだ。
研修センターから新宮市内の市田川のタイムトライアル会場へ自走で向かう。
各選手がそれぞれ0.7kmのタイムトライアルを全力で駆け抜けた。
レースを終えた選手たちは一様にリラックスした表情に変わっていた。

第一ステージは赤木川清流コース。
ハイスピードで進むレース、その上道路の細い部分や登りでのスピードの緩急に、選手たちは苦しめられる。
そんなレースで吉岡、高山、榊原の3選手が遅れてしまう。
その中で、去年初出場しリタイアした佐藤はポイントを押さえた走りで完走。何より彼が力を付けたのだろう。その走りは中京大学の後輩である川嶋にフィードバックされ、見事に2人が完走を果たす。

第二ステージは熊野山岳コース。
厳しい登りとテクニカルな下り。日本屈指の難コースだが日本屈指の美しいコースである。
熊野市内をパレード走行しアクチュアルスタートが切られる。
レースは優勝争いのプロチームのアタックの応酬によって、史上最高レベルのスピードで進んでいく。
そのスピードに丸山千枚田の山岳が始まる前に遅れる選手もいた。
そしていよいよ本格的な登りに入り、2人は登りの後半まで粘るが力尽き後退。
ゴールを目指す15名ほどの集団の中には、プロ選手が何人も含まれており、それまでのレースの厳しさを物語っていた。
皆で力を合わせゴールを目指すが、残り40km付近の関門所でタイムオーバーの宣告。
ラインレースでの超ハイスピードはなかなか出来ない貴重な体験だったが、やはり2人とも肩を落とす。
第2ステージで全員がリタイアという残念な結果となってしまった。
宿舎に戻り少し時間が空いたので、反省会的なミーティングをした。
選手たちはUCIレースの速さを肌で感じ、レベルの高さや下りのテクニック等を目の当たりにして、それぞれに自分の弱い所が見えたり、もっと強くなりたい、前で勝負できるような選手になりたいとより強く思うようになったと感じる。
翌日の太地半島での第3ステージは、皆で見てから帰ることにした。
最後に、選手たちに来年も走りたいかと尋ねると、全員からまた走りたいとの返事。
なんだか少しホッとした。

第3ステージを見終えて、角口会長にご挨拶をして解散。
彼らは何を思いながら帰路に就いたのだろうか。
来年はもっともっと強くなって戻って来てくれるだろうか。
AACA選抜チームの2度目の監督。そうたいそうな事はしてあげられてないのだが。
ツールド熊野という特別な4日間は、自分にとって更に特別な4日間になってきている。
彼らがいるから。
KINAN Cycling Teamの活躍はもちろん嬉しいけど、君たちもね。
来年のツールド熊野は記念すべき20回大会!待ってるよ!


さて、来年へ向けて強くやる気のある若い選手を募ります。
KINAN AACAカップで良い走りをみせて、ツールド熊野を走りたいアピールをして下さい。
運営スタッフだからバタバタしてると思いますが、加藤や池田や鈴木を捕まえて、思いを直接伝えて下さい。
KINAN AACAカップのエントリーの時にU23の選手は、トライアウト希望の欄があるのでバンバン立候補して下さい。たくさんのエントリー待ってます!

KINAN AACAカップから世界へ!

http://www.nspk.net/tdk/

photo:Syunsuke FUKUMITSU
Text :Shinji Suzuki